薬機法・景表法ニュース

株式会社SUNSIRIが特商法違反で行政処分!原因は「シワ」に関する誇大広告【2024年10月9日】

通信販売業者【株式会社SUNSIRI】に対する行政処分について

 消費者庁は、美容クリーム等を販売する通信販売業者である株式会社SUNSIRI(本店所在地:埼玉県川越市)(以下「SUNSIRI」といいます。)(注)に対し、令和6年10月3日、特定商取引法第15条第1項の規定に基づき、令和6年10月4日から令和7年1月3日までの3か月間、通信販売に関する業務の一部(広告、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。

(注)同名の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください。

 あわせて、消費者庁は、SUNSIRIに対し、特定商取引法第14条第1項の規定に基づき、法令遵守体制の整備その他の再発防止策を講ずることなどを指示しました。
また、消費者庁は、SUNSIRIの代表取締役である榊原 実(さかきばら みのる)に対し、特定商取引法第15条の2第1項の規定に基づき、令和6年10月4日から令和7年1月3日までの3か月間、SUNSIRIに対して前記業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を命じました。

 ※榊原の「榊」は、正しくは木へんに神です。(環境依存文字による対応)

引用元:消費者庁

このニュースでは、美容クリームを販売する株式会社SUNSIRIが、特定商取引法に違反したとして、消費者庁から業務停止命令を受けたことについてまとめられています。

同社は、「ケシミシワ」などの美容クリームについて、即効性や効果を過剰に誇張した広告を展開していました。消費者庁が合理的な根拠を求めたところ、提出された資料が基準を満たしていなかったため、不当表示(誇大広告)と認定されました。

また、誇大広告と聞くと、景品表示法違反にも該当するのでは?と疑問に思われる方も多いでしょう。

そこで、今回のケースでは、なぜ景品表示法ではなく特定商取引法違反となったのかについて、弊社の見解をお伝えし、今後事業者が注意すべき点について解説します。

なぜ特定商取引法違反として行政処分が下されたのか

この事案において、景品表示法違反ではなく特定商取引法違反として行政処分が下された要因は、以下のようなものが考えられます。

【1】通信販売における誇大広告に該当するため

特定商取引法では、通信販売における「誇大広告」や「特定申込みを受ける際の表示」に関する規制があります。

この法律では、販売業者が消費者に対して誤解を招く表現を行った場合に、消費者庁が直接行政処分を下せる権限があります。

株式会社SUNSIRIのケースでは、広告や販売ページ上で即効性や効果を強調する表現が使用されたいたことが問題視されました

消費者庁は、このような誤解を招く表示が「特定申込みを受ける際の表示」に該当すると判断し、特定商取引法の規定に基づいて処分を行ったと考えられます。

【2】景品表示法と特定商取引法の適用範囲の違い

景品表示法は、一般的に消費者に誤認を与えるような商品やサービスの表示に対して適用されますが、特に「不当表示(優良誤認や有利誤認など)」にフォーカスしています。

一方で、特定商取引法は、主に通信販売や訪問販売など特定の取引形態における業者の行為を規制する法律です。特定商取引法は、契約締結の際の表示内容や消費者に誤認を与えるような行為について具体的な規定があります。

本件では、株式会社SUNSIRIの広告が通信販売業務の一環で行われており、定期購入契約の申込み画面で、表示義務である契約の解除方法がなかったこと「特定申込みを受ける際の表示」として問題視されたため、消費者庁は特定商取引法の規定に基づいて対応したと見られます。

【3】合理的根拠の欠如に関して

景品表示法に基づいて行政処分を行うには、表示に関する合理的な根拠が欠如しているか確認する必要があります。

今回、消費者庁は株式会社SUNSIRIに対して合理的な根拠を示す資料の提出を求めましたが、提出された資料が基準を満たしていませんでした。

この点は景品表示法の適用も視野に入れられた可能性がありますが、通信販売における誤解を招く広告に関して、特定商取引法の方がより直接的に適用しやすい規定を有していたため、そちらが採用されたと考えられます。

今後事業者が注意すべき点

次に、このニュースから事業者が注意すべき点について解説します。

【1】広告表現の慎重な検討

広告での効果表現においては、あたかも効果が確実であるかのような表現(「完全消滅」「確実に消せます」など)は特に慎重に取り扱う必要があります。根拠のない表現は、消費者に誤認を与え、法令違反に繋がる可能性があります。

【2】合理的な根拠の明示

広告で使用する表現には、客観的かつ合理的な根拠を明確に示すデータや調査結果が求められます。特に、医薬品や化粧品、健康食品など効果が期待される商品においては、科学的な裏付けが重要です。消費者庁から資料提出を求められた際に、十分な根拠を示せるよう、事前に信頼性のあるデータを用意しておくことが必要です。

まとめ

株式会社SUNSIRIの事例は、誇大広告の危険性と合理的根拠の重要性を示しています。事業者は、自社広告の表現が法令に抵触しないよう注意を払い、消費者に誤解を与えない適切な情報提供を行うことが求められます。また、再発防止策を徹底し、法令遵守を基盤にした事業運営を心がけることが重要です。

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