薬機法・景表法ニュース

株式会社デザインワードが景表法違反で措置命令!問題点や今後の注意点を解説【2024年12月16日】

“有利誤認表示”で消費者庁から措置命令 ネイルスクール運営会社「デザインワード」

札幌にも校舎を持つネイルスクールの運営会社が、実在しない授業料から「いまだけ50%割引」などと表示する「有利誤認表示」をしたとして、消費者庁から措置命令を受けました。

措置命令を受けたのは全国でネイルスクールを運営する「デザインワード」です。

デザインワードは札幌の「アフロートネイルスクール」を含む19のネイルスクールのホームページで実際の授業料を「今だけ50%割引」などと表示し、この授業料より高い「通常授業料」と称する価格を併記して実際の授業料を安く見せかける「有利誤認表示」をしていました。

この「通常授業料」は消費者庁のガイドラインが定める期間の実績がないもので、消費者庁は、景品表示法違反行為にあたるとして、再発防止策などを求める措置命令を下しました。

デザインワードは「真摯に受け止め、再発防止につとめていく」と話しているということです。

参照元:Yahoo!ニュース

2024年12月、ネイルスクール運営会社「デザインワード」が「有利誤認表示」を行ったとして消費者庁から措置命令を受けました。本件は、消費者を誤解させる価格表示がどのように法律に触れるか、また事業者がどのように再発防止策を講じるべきかを改めて考える機会となっています。

本記事では、今回の問題点を解説し、事業者が今後注意すべき点をまとめます。

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問題となった「有利誤認表示」とは?

今回のケースでは、以下の問題が指摘されました。

  1. 実在しない「通常授業料」の設定
    「デザインワード」は授業料を「今だけ50%割引」と表示し、実際の授業料より高い「通常授業料」を併記しました。しかし、この「通常授業料」は消費者庁のガイドラインが定める期間で実績がない価格であり、実在しないものでした
  2. 消費者の誤解を誘発する表示
    消費者が「50%割引されている」と誤認し、商品やサービスを購入するきっかけとなった可能性が高い
    と判断されました。これは景品表示法が禁じる「有利誤認」に該当します。

どのような表示が有利誤認となるのか

景品表示法は、消費者が商品やサービスを選ぶ際に適切な判断を妨げる表示を禁止しています。有利誤認とは、商品の価格や条件について実際よりも有利であるかのように誤認させる表示のことを指します。

有利誤認に該当する例
  • 実際には適用されていない割引価格の表示
  • 市場価格と乖離した通常価格の提示
  • 期間限定を装った実質的な恒常価格の表示

価格表示においては、実際の販売実績に基づいた信頼できるデータを基に設定することが重要です。

本件では、架空の「通常授業料」を用いた点がこれに該当しました。

特に「通常価格」は、実際にその価格で一定期間販売した実績がある場合にのみに限られます。今回のように、そもそも実績自体がない場合に用いることはできません。

実際に過去の販売価格が存在し、それを比較対象価格として二重価格を行う場合には、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に限られます。

詳しくはこちらをご覧ください。

その他事業者が注意すべき点

事業者が同様の問題を避けるためには、以下の点を重視する必要があります。

①内部チェック体制を強化する

広告表示の適法性を確保するために、専任のチェック部門を設置することが効果的です。

表示内容を事前に確認し、法令に抵触しないかを慎重に判断する仕組みを整えることが重要です。また、複数人での確認体制を構築することで、誤りや見落としを防ぐことができます。

②定期的な法令研修を実施する

社内で定期的に法令研修を実施し、従業員全員が景品表示法や関連法規について正しい知識を持つことが求められます

特に広告や価格設定を担当する社員に対しては、ケーススタディを交えた実践的な教育を行い、法令遵守の意識を高めることが重要です。

③消費者からの信頼を重視する

法律を守ることはもちろん、消費者からの信頼を損なわない誠実な運営を心掛ける必要があります。

不明瞭な表示や誤解を招く宣伝方法を排除し、購入者が安心して利用できる環境を整えることが、事業の持続的な成長につながります。

まとめ

有利誤認表示は、短期的な利益を得られるように見えても、消費者の信頼を失い、事業の存続に大きな影響を与える可能性があります。事業者は、自社の広告表示が法令に準拠し、誠実であるかを常に確認することが求められます。本件を教訓に、消費者との信頼関係を大切にした事業運営を目指していくべきでしょう。

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