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【9カ月で1200件に注意喚起!】消費者庁が特商法の執行状況を公開【2025年1月27日】

消費者庁、特商法の執行状況を公開 9カ月間で1200件に注意喚起

消費者庁は1月16日、特定商取引法の通販分野への執行状況を公開した。消費者庁によると、2024年5~12月末までに、業務停止命令や指示などの行政処分を4件実施したという。行政指導については、同期間内で6件実施したとしている。注意喚起については、4~12月の9カ月間で約1200件行ったという。
 
消費者庁によると、約1200件の注意喚起は、「ECサイトやECモールの会社概要欄で、事業者名が抜けている」(取引対策課)などを理由に実施したとしている。
 
行政指導を行った6案件のうち、「電話で解約を受け付けているにもかかわらず、広告に確実に連絡が取れる電話番号を表示していなかった事業者」に対する行政指導が、3案件あったとしている。
 
消費者庁は2023年9月、特商法に反する悪質業者を監視するために、取引対策課内に「デジタル班」を設置した。さまざまなツールを活用しながら、迅速かつ適切に法執行を行っている。


参照元:日本ネット経済新聞(2025年1月23日より)

近年、通販市場の拡大に伴い、特定商取引法(特商法)に基づく消費者保護の重要性が高まっています。

消費者庁は、悪質業者への対応を強化し、2024年には多数の行政処分や注意喚起を実施しました。また、2023年にはデジタル技術を活用する「デジタル班」を消費者庁取引対策課内に設立し、迅速な法執行体制を構築。これにより、消費者被害の未然防止と市場の透明化が進んでいます。

本記事では、最新の執行状況や主な違反事例、そして事業者が注意すべきポイントについて詳しく解説します。

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ニュース概要

2024年1月16日、消費者庁は特定商取引法(特商法)の通販分野における執行状況を公表しました。発表によると、2024年5月から12月末の間に、以下の対応が行われました。

  • 行政処分:業務停止命令や指示などの行政処分を4件実施。
  • 行政指導:法令違反を指摘し改善を促す行政指導を6件実施。
  • 注意喚起:消費者に向けた注意喚起を約1200件行った。

注意喚起が行われた主な理由として、「ECサイトやECモールの会社概要欄において事業者名が未記載だった」ことが挙げられています。このようなケースは、消費者が販売元を特定できず、取引における信頼性が損なわれることから、特商法に違反するとされています。

さらに、行政指導の6件のうち、3件は「電話で解約を受け付けているにもかかわらず、広告に確実に連絡が取れる電話番号を表示していなかった事業者」に対するものでした。消費者に対して明確な解約方法を示さないことも特商法違反に該当し、行政指導の対象となる事例です。

これらの執行状況から、消費者庁が通販分野において透明性の確保と消費者保護を重視していることが伺えます。

消費者庁の新たな取り組み

消費者庁は、特定商取引法(特商法)違反の取り締まりを強化するため、2023年9月に「デジタル班」を設置しました。この新しい部署は、通販分野における悪質業者を迅速に特定し、法執行を行うことを目的としています

デジタル班は、オンライン取引に関わる違反事例を調査し、必要に応じて行政指導や行政処分を実施する専門チームです。従来の方法では発見が難しかったケースに対して、デジタル技術を駆使して問題を可視化し、適切な対応を行っています。

特に以下のようなポイントに注力しています。

  • 監視ツールの活用:AIやデータ解析ツールを使い、ECサイトや広告の監視を強化。
  • 迅速な対応:違反事例を発見次第、スピーディに調査を進め、消費者への被害拡大を防ぐ。
  • データ収集:ECモールや通販事業者の取引情報を分析し、特商法に基づく透明性の欠如や不正行為を特定。

デジタル班の成果と意義

2024年に公表された執行状況の中でも、「デジタル班」の活動が功を奏していることがわかります。

行政指導や注意喚起に至る違反事例の発見速度が向上し、悪質な業者による消費者被害を未然に防ぐことができるようになりました。また、デジタル技術の導入により、これまで以上に効果的な法執行が期待されています。

消費者庁のこうした取り組みは、通販市場全体の透明性を高めると同時に、消費者にとって安全で信頼できるオンライン取引環境の整備に貢献しています。

事業者が気を付けるべきポイント

消費者庁が特定商取引法(特商法)の通販分野で積極的に法執行を行う中で、事業者はどのような点に注意すべきでしょうか?

ここでは、具体的な注意点を整理して解説します。

①会社概要欄の適切な記載

消費者庁が発表した注意喚起の多くは、「ECサイトやECモールの会社概要欄で事業者名が記載されていない」ケースに基づいています。

特商法では、事業者は以下の情報を正確かつ明確に記載することが義務付けられています。(下記に記載しているのは表示義務の一部です。)

  • 事業者名(法人名や個人事業主名)
  • 所在地
  • 連絡先(電話番号やメールアドレス)

これらの情報が不十分であると、消費者が販売元を特定できず、トラブル時の問い合わせや対応が困難になります。また、情報が未記載の場合、悪質業者とみなされるリスクが高まります。

②広告における正確な連絡先の表示

特商法では、解約手続きに関する情報の適切な開示が求められています。

消費者庁の行政指導事例では、電話で解約を受け付けているにもかかわらず、広告に連絡が取れる電話番号が明記されていなかった事業者が複数見られました。

このような不備は、消費者が解約手続きにおいて不便を感じるだけでなく、事業者の信頼性を著しく損なう原因になります。広告やウェブサイトには、解約方法や問い合わせ先を明確に記載することが不可欠です。

③消費者の誤解を招かない透明な取引

事業者は、自社の商品やサービスに関する情報を正確に伝える必要があります

たとえば、以下のような点で誤解を招かないよう配慮しましょう。

  • 商品の価格表示(隠れた追加料金がないか)
  • サービス内容の明確化(定期購入の場合はその旨をはっきり記載)
  • キャンセルや返品条件の詳細な説明

特商法に違反する行為は行政指導や処分の対象になるだけでなく、消費者からの信頼を失い、事業継続に悪影響を与えます。

④法令順守のための内部体制の整備

特商法を守るためには、事業者内部での体制整備も重要です。従業員に対する研修を実施したり、法律に詳しい担当者を配置したりすることで、違反リスクを軽減することができます。また、外部の専門家(弁護士やコンサルタント)に相談するのも効果的です。

特商法違反は、事業者にとって法的なリスクだけでなく、消費者との信頼関係を損なうリスクにもつながります。これらのポイントを押さえ、透明性の高い取引を心掛けることが、事業者にとって重要な課題といえます。

まとめ

消費者庁は2024年、特定商取引法(特商法)の通販分野における執行状況を公表しました。

行政処分4件、行政指導6件、注意喚起約1200件を実施し、主な違反例として「事業者名の未記載」や「広告での解約連絡先の不明確さ」が挙げられます。

2023年9月には「デジタル班」を設置し、デジタル技術を活用して違反事例の迅速な特定と対応を強化。事業者は、情報開示の徹底や解約手続きの明確化、内部体制の整備などが求められます。

消費者との信頼関係構築を重視し、透明性のある取引を目指すことで、健全な市場環境での成長が期待されます。

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