太陽光パネル販売施工業者2社 不当表示で措置命令
消費者庁は2月27日、太陽光発電システム機器販売施工業者の新日本エネックス(福岡市博多区)と安心頼ホーム(福岡市東区)の2社に対し、自社ウェブサイトに掲載していた内容が景品表示法違反の「優良誤認」に該当するとして、措置命令を行った。両社に対し、景品表示法に違反した旨を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じて役員・従業員に周知徹底すること、同様の表示を今後行わないことを命令している。
新日本エネックスは、自社ウェブサイトのトップページ上で、「『安心して導入できる太陽光発電・蓄電池販売』でNo.1を取得」などと掲載。安心頼ホームは、「九州エリアの蓄電池販売施工会社口コミ満足度No.1」と表示していた。
しかし、同庁の調べで、No.1の根拠としていたNEXER(東京都豊島区)の「日本トレンドリサーチ」調査の結果が客観的な調査に基づく結果ではなかったことが判明。回答者が実際の利用者であることを確かめていなかったこと、設問がウェブサイトの印象を問う内容であったこと、正確な引用をしていなかったことなどが明らかになった。違反内容については、「一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある」としている。
新日本エネックスは、「広告表現の見直しや景品表示法に関する研修などを実施し、再発防止に努める」と謝罪。安心頼ホームは「措置命令を受けたことを真摯に受け止め、再発防止に全力で取り組む。対象となった表示については令和5年5月末に掲載を終了している」と説明している。なお、日本トレンドリサーチの「No.1調査」については、安定的な新規受注が難しくなったことを理由に、24年1月31日付でサービスを終了している。
引用元:新建ハウジング
「No.1」表示のリスクについて
「No.1」表示をする際には以下のようなことに注意してください。
- 合理的根拠の欠如
「No.1」表示には客観的で信頼性のある根拠が必要です。根拠が不十分だと、優良誤認表示として問題視される可能性があります。
- 消費者の誤認
消費者が実際の評価や実績と誤解する恐れがあります。これにより、消費者の信頼を失うリスクがあります。
- 法的なリスク
景品表示法違反として、措置命令や罰則を受けるリスクがあります。
このニュースで問題となったのは、「No.1」表示が実際の利用者による調査結果ではなく、企業の印象を問うイメージ調査に基づいていたことです。
公正取引委員会は、「No.1」表示が合理的根拠に基づくためには、客観的な調査に基づくことを求めています。客観的な調査とは、関連する学術界や産業界で一般的に認められた方法、または関連分野の専門家多数が認められる方法で実施される必要があります。さらに、調査対象者を恣意的に選定するなどの方法は認められていません。
今回のケースでは、調査が実際の利用者に対するものではなく、イメージ調査であったため、消費者に誤認を与える恐れがありました。消費者庁は、企業が広告において「イメージ調査」と表示していれば問題ないと考えるのではなく、調査項目が適切か、消費者に誤解を与えないかを慎重に検討する必要があるとしています。また、調査結果を正確に反映させた表示を行うことが求められます。
この措置命令は、企業が広告において合理的根拠を持つ表示を行うことの重要性を再認識させるものであり、今後は調査方法の透明性と正確性に注意を払うことが必要です。企業は、広告表示の適正性を確保するために、より一層の努力を求められることとなります。