リップの売れ行きが増加傾向にある
コロナ禍で長いことメイクアップ市場の停滞が続いていましたが、マスクを外す機会が徐々に増えているということで「口紅(リップ)」の売れ行きがアップしています。マスク生活においても付けたての色がそのまま長時間継続し、且つマスクにつかず、高保湿で唇が荒れにくい・・・ということで一世を風靡したKATEのリップモンスター(カネボウ化粧品)の爆売れは記憶に新しいところです。
基本マスクは不要・・・ということになれば、リップ需要は当然高まります。
また、どんなにきれいメイクをしていても、唇がガサガサだと台無しです。そのため、最も念入りにケアをする場所を唇とする方も少なくありません。また、女性に限らず男性も積極的にリップクリームを使い、唇のお手入れをしています。
色味を加えるだけでなくお手入れもしっかりと。そんな「リップ系」化粧品について表現できる範囲を今一度整理してみましょう。
リップ系商材の標榜可能な効能効果
商品としては、口紅、リップクリーム、ティント、リキッドルージュ、グロス、練紅、リップライナー、バーム、下地、唇用美容液、リップマスク等さまざまなものがあり、また、化粧品に限らず、医薬部外品、医薬品と用途・効果も多岐にわたります。
化粧品の場合であれば、標榜可能な56の効能効果の内、42番~48番が該当します。
(42)口唇の荒れを防ぐ。
引用元:厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
そして、リップ系化粧品の場合には、“唇にメーキャップ効果を施す”目的を持つものもあります。このような着色効果(或いは、無色であったとしても事実として物理的に唇上の溝を埋める下地的用途のもの)は、事実であることを前提に『(物理的効果により)シワを目立たなくする』といった表現も可能です。
従って良く見かける“唇の縦ジワ”という表現についても物理的効果をもつのであれば同様の考え方ができます。
※物理的効果だったとしてもシワを完全に消すこと等は保証表現と解釈されますので不可。
リップ系化粧品では、唇の荒れや乾燥防止、潤いを与えるなど、厚生労働省の効能効果(42~48番)が標榜可能です。また、メーキャップ効果を持つ商品では、物理的にシワを目立たなくする表現も許可されていますが、シワを完全に消すなどの保証表現は不可です。
無色のリップクリーム等の表現について
では、物理的効果を持たない、無色のリップクリーム等はどう考えるべきでしょうか。注意しなければならないのは“二次的・三次的効果を述べることは禁止”ということです。 第4(基準) 3 効能効果、性能及び安全性関係 <共通> 3(8)本来の効能効果等と認められない表現の禁止 例えば、初めに示した42番〜48番の効果を拡大解釈し、『口唇にうるおいを与える』の二次的効果として『(うるおいが与えられれば、その結果)唇の縦ジワが薄くなる』と標榜することはできない…ということです。 メーキャップ効果を持たない“無色の”リップクリームの場合、例え『口唇にうるおいを与える』効果を持っていたとしてもその次の効果として『唇の縦ジワが薄くなる』と標榜を行うと効果の逸脱と解釈されることになります。 また、色持ちの訴求についても保証表現とならないように注意しましょう。例えば唇の色の変化を使用前使用後で表す場合、使用前と使用後の色味の比較は可能ですが、“効果の持続時間の保証”となるものは不可ですので、使用後を「9時間後」とし“9時間も色持ちします”となると不可と判断される可能性があります。 この記事から学んでおきたい関連知識
(1)承認等を要する医薬品等についての効能効果等の表現の範囲
承認等を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」という。) についての表現は、明示的又は暗示的であるか否かにかかわらず承認等を受けた効能効果等の範囲をこえてはならない。
(3)効能効果等の副次的効果の表現について
効能効果等の二次的、三次的効果等の表現は、本項に抵触するため行わないこと。
また、本基準第4の3(8)「本来の効能効果等と認められない表現の禁止」も参照すること。
医薬品等の効能効果等について本来の効能効果等とは認められない
効能効果等を表現することにより、その効能効果等を誤認させるおそれのある広告を行ってはならない。
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新型コロナウイルス感染症がようやく落ち着き、国内ではマスクを着用する人も少なくなってきました。その影響か、最近ではリップ系商材の需要が高まっています。そこで、今回はリップ系商材の表現について解説します。
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