薬機法広告ラボ

特記表示のルールと使用例について/ビタミン類は抗酸化剤以外としても表示が可能!

画像

定期的にご質問をいただく、“化粧品の特記表示に基づいたビタミン類の配合目的”について解説致します。

化粧品広告の基礎は見るだけで学べます >

特記表示について

化粧品において、ビタミン類の特記表示を行う際には「『製品の抗酸化剤』としてのみ認められている」という通説があります。

まず、特記表示とは何なのかおさらいをいたしますと、

商品に配合されている成分中、特に訴求したい成分のみを目立つよう表示する事。

を指します。

特記表示のルール

特定成分について、色を変える、枠で囲む、フォントやサイズを変える等をするとそれがあたかも有効成分であるかの誤認を招くという事から、このように特に訴求したい成分のみを目立つよう表示する場合には

  •  事実に基づき
  •  化粧品に認められた効果の範囲で

その特記した成分の“配合目的”を明記するというルール(特記表示のルール)があります。

特記表示の使用例

例えば、キャッチコピー等で

【ヒアルロン酸配合!!】

と大きく記載する場合には、なぜヒアルロン酸を含有しているのか、その配合目的を記載しなければなりません

ですので、このような場合には、

  •  保湿成分ヒアルロン酸配合!!
  •  ヒアルロン酸(保湿成分)配合!!

という表記にしたり、或いは

  • ヒアルロン酸(※)配合!!

等とし、欄外に「(※保湿成分)」と付記したりする対策を行います。

特記表示とは、化粧品の特定成分を強調する際、誤認を避けるためにその配合目的を明示する必要があるというルールがあることを覚えておきましょう。

自社商品の魅力を活かした広告表現の作り方を教えます >

ビタミン類の特記表示は抗酸化剤以外としても可能

では実際の所、化粧品において、ビタミン類の特記表示を行う際には「製品の抗酸化剤」としてのみしか表現できないのでしょうか。

確かに、化粧品の場合、ビタミン類を配合する際「製品の抗酸化剤」と書かれることが多い印象があります。もちろん「製品の」が無い単なる「抗酸化剤」という書き方は、肌への抗酸化作用を表現するものになり、化粧品の標榜可能な効能効果から逸脱するため不可となります。

ビタミン類においての配合目的が「製品の抗酸化剤」としか表現できないのかどうかという事について、東京都薬事監視課及び化粧品公正取引協議会は

ビタミン類を「製品の抗酸化剤」以外の目的で配合しており、その目的を化粧品の効能効果の範囲内で標榜する場合は、表示可能である。

と判断しています。

例えば、ビタミンCに「キメを整える」効果があるということを事実とし、ビタミンCを「キメを整える」目的で配合していれば、『ビタミンC(キメを整える成分)配合のクリームです。』と特記表示することは可能と判断できるという事になります。(「製品の抗酸化剤」以外の場合、一般的には「整肌成分」とすることが多い印象です。)

但しビタミンは、医薬部外品の有効成分として認められている成分でもありますので、薬理作用を暗示するような配合目的を記載することは不可となりますので注意が必要です。例えば「肌あれを防ぐ」は化粧品の効能効果ではありますが、ビタミンA、D等は薬効が「肌あれを防ぐ」となるため、化粧品では使用できないとされております。

故に、ビタミン類の配合の目的が、本来の目的の通り正しく明記され、かつ、それが事実に基づいた化粧品の効能効果の範囲内であり、その上で、医薬部外品のような薬効的効果をもつものと誤解をさせないのであれば標榜可能と解釈できます。

≪参考資料≫
昭和47年2月2日 薬監第27号 厚生省薬務局監視課長回答
愛知県衛生部長宛 『化粧品における特定成分の特記表示について

質問:10
ビタミン等であっても化粧品として配合目的が付記されていれば差し支えないか。
(例)ビタミンE(抗酸化剤)

<回答>
化粧品についての効能効果の表現の範囲(S55.10通知、H12.12.28改正)であって事実であれば、差し支えない。
例の「抗酸化剤」は「製品の抗酸化剤」と改めれば差し支えない。

質問:18 
ビタミン等を次のように表現することは差し支えないと考えてよいか。
(1)ビタミンA、Dが肌あれを防ぎます。
(2)肌あれを防ぐ成分ビタミンA、Dを配合
(3)乾燥した空気から肌を守り、肌あれを防ぎます。(ビタミンA、D配合)
(4)ビタミンA、D(肌あれを防ぐ成分)を配合し、うるおいのある
しっとりした肌を保ちます。
(5)ビタミンC(製品の抗酸化剤)配合のクリームです。
(6)グリチルリチン酸モノアンモニウム(消炎剤)配合クリームです。

<回答>
(1)〜(4) 不可である
(5) 差し支えない
(6) 不可である

質問:30
ビタミンCを皮膚保護剤と表現してよいか。

<回答>
認められない。
医薬部外品の有効成分として認められている成分については、薬理作用を暗示するような配合目的を記載することは認められない。

≪他 参考資料≫
◎「紫外線吸収剤・散乱剤」及び「ビタミンC」を配合した商品の表示基準
 ⇒ https://www.cftc.jp/kiyaku/kiyaku05.html

◎「『紫外線吸収剤・散乱剤』及び『ビタミンC』を配合した商品の表示基準」
 の「2『ビタミンC』を配合した商品の表示基準」における
 「注)13全成分表示を行った場合は表示できる。」の運用について
 ⇒ https://www.cftc.jp/kiyaku/kiyaku06.html

以上となります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

この記事から学んでおきたい関連知識

広告表現でお困りの方へ

「広告審査が通らない」「制作前に文言チェックをしておきたい」「この表現が使えるか相談したい」など、お困りのことがありましたらお気軽にお問い合せください。簡単な薬機チェックから、本格的なサービス構築まで幅広く対応致します。
お問い合わせフォームへ送信いただければ最適なプランをご案内させていただきます。

お問い合わせ
オンライン相談可 最適プランご案内 初回無料相談 オンライン相談可 最適プランご案内 初回無料相談