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【薬事のプロが解説!】健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について

2023年12月5日、『健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について』が改定されました。この改定は約1年8ヶ月ぶりで、ステルスマーケティング、アフィリエイト広告、成分広告に関する内容が盛り込まれ、また、表現事例も細かく追加された印象です。今回は、改定の概要と、業界関係者や消費者から寄せられた質問に基づいて、重要なポイントを詳しく解説していきます。

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今回の改定についてよくいただくご質問

この改定について多くいただくご質問が、

2 健康保持増進効果等
(3) 「健康保持増進効果等」を暗示的又は間接的に表現するもの

の中の

身体の組織機能等に係る不安や悩みなどの問題事項を例示して表示するもの

引用元:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」

についてでした。項目そのものが新設され、例も盛り込まれています。

エ 身体の組織機能等に係る不安や悩みなどの問題事項を例示して表示するもの

例:
「こんなお悩みありませんか?疲れが取れない。健康診断で○○の指摘を受けた。運動や食事制限が苦手。いつもリバウンドしてしまう。メタボが気になる。」、「最近、体力の衰えを感じるのは、○○が不足しているせいかもしれません。」、「年齢とともに、低下する○○成分」

引用元:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」

ご質問:「○○の方に」といった訴求はできなくなりますか?

ご質問の内容は共通して、『○○○の方に』といった訴求はできなくなるのか?というご心配です。

この部分についてはもともと問題視されており、また指導も行われていたものであり、目新しい事案ではありません。もっとも、薬機法視点である『医薬品的な効能効果の暗示に該当する例』として、

(キ)「○○○の方に」等の表現

「○○○の方にお勧めします」等の摂取を勧める対象を示す表現のうち、疾病を有する者、疾病の予防を期待するもの、好ましくない身体状態にある者を対象とする旨の表現

引用元:東京都福祉保健局・東京都生活文化局編『健康食品取扱マニュアル 第7版』

と挙げられており、“好ましくない身体状態にある者”を対象とする旨の表現は医薬品的効能効果の暗示に当たるとしています。

ただ、今回、『健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について』において不適切な例として明示されたことで、景品表示法及び健康増進法の面から指導しやすくなる可能性はあると考えられます。

例外と適切な広告表現について

とはいえ、まずは、当留意事項の事例に記載されているような、「疲れが取れない」「メタボが気になる」「体力の衰えを感じる」等、身体機能の問題事項そのものを謳う広告が指摘されるのではないかと考えられますので、『○○○の方に』と言ったからすぐNGということではありません

尚、今回の留意事項改定の中に盛り込まれた「年齢とともに、低下する○○成分」については、薬機法的に見ると“足りない栄養素の補給”にあたるため、医薬品的効能効果には(これだけでは)当たらないと判断できます。また、虚偽誇大でなければ(事実なのであれば)景品表示法及び健康増進法の面から見てもNGとは言えません

ただ、例えばその○○成分が

・「年齢と共に低下する」という事実そのものが無い
・外部からの成分摂取で、体内の栄養素を補給できるという事実が無い

ということなのであれば、それは広告表記として不適切ということになります。

「○○の方に」という表現は、疾病や好ましくない身体状態を暗示する場合、医薬品的効能効果に該当するため注意が必要です。しかし、今回の改定では、「疲れが取れない」や「メタボが気になる」といった身体機能に関する問題事項が特に指摘されやすくなると考えられます。なお、「年齢とともに低下する○○成分」といった表現は、虚偽でなく事実に基づいていれば、薬機法や景品表示法の観点でも問題とはされません。

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