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食品で「熱中症」を使用可能な条件とは?熱中症対策表示ガイドラインについても解説

今年は4月に入ってから急激に気温が上昇し、熱中症の対策も必要になってくるかと思います。そこで、今回は食品で「熱中症」のワードを使うことができるのかについて解説します。

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「熱中症」のワードは特定の条件下で使用可能

ドラッグストアには熱中症対策のコーナーが設けられ、POPを見ると「熱中症」というワードが大きく使用されているのを目にしますが、薬事的に問題が無いのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

この「熱中症」のワードは、一定の商品において一定の条件を満たしていれば可能です。

「熱中症対策」表示ガイドライン

2012年4月19日に全国清涼飲料工業会が『「熱中症対策」表示ガイドライン』を制定し、同5月17日に厚生労働省が各都道府県薬務主管課宛に事務連絡しています。

このガイドラインにおいて「ナトリウム濃度として、少なくとも、飲料100ml当たり40~80mg含有する清涼飲料水」では、TVCM、店頭POP等の広告類に限り、「熱中症対策」の用語を使用することと明記されています。尚、商品名、製品の容器包装、製品段ボールでの表示や、「熱中症予防」「熱中対策」等の紛らわしい表示は禁止としています。

引用元:全国清涼飲料工業会「熱中症対策」表示ガイドライン

1.趣旨
 夏場の熱中症予防対策として、厚生労働省のHPなどでも、水分だけでなく塩分を合わせて摂取することが推奨されていることから、「熱中症対策」とPOPなどで表示できるスポーツドリンクなどの 飲料の範囲を明確にすることにより、正確な情報伝達と市場の混乱防止に寄与する。

2.適用
 ナトリウム濃度として、少なくとも、飲料100ml あたり40~80mg※1含有する清涼飲料水。(※1 この値は、厚労省HPのマニュアル記載の値に基づく。)
 
 参考:
 厚生労働省 職場における熱中症の予防について
 厚生労働省 職場における熱中症予防対策マニュアル

3.前項の基準を満たしたもののみ、「熱中症対策」の用語を使用することができる。※2(※2「熱中症予防」「熱中対策」など、これと紛らわしい表示は使用しない。)

4.商品名、製品の容器包装、製品段ボールへの表示に、この用語を使用してはならない。※3(※3 使用の具体例:テレビCM、店頭POP、ポスター、説明会など)

5.なお、制定後1年間は猶予期間とする。(既に表示修正の猶予期間は終了しています)

≪参考≫
 厚生労働省医薬食品局<事務連絡>2012年5月17日配信文書(PDF/46KB)

厚労省からは特例的に認められている

「熱中症」は症状名ですので、本来このようなドリンク類を含めた食品の広告文言として使用することはできません。ですが、厚生労働省により熱中症予防対策を目的として、特例的に認められているものとなります。

“ナトリウム濃度として、少なくとも、飲料100ml あたり40~80mg含有する清涼飲料水”というそもそもの縛りがありますが、薬機法に触れることなく、「熱中症対策」と病名をそのまま使用できるレアなケースですので是非覚えておいてください。

粉末タイプでも使用可能

ここで疑問に思うのが『水に溶かして飲む粉末タイプでも、規定の数値を満たすのであれば「熱中症対策」と表示することはできるのか』・・・です。上記「熱中症対策」表示ガイドラインにはそのような想定がありません。

薬務課にヒアリングしたところ、下記のような見解でした。

≪薬務課の見解≫
厚労省としては、吸収率を考えナトリウムの量などを指定しています。

熱中症の対策として必要なものは塩分・ミネラル・水分の補給ですが、どれか1つだけを補給すれば十分かといえばそうではないので、これらすべてを効率よく吸収できるのが、ガイドラインにあるもの、ということで定めています。

そのため、塩分が含まれたタブレットなどでは「熱中症対策」とは言えませんが、この考え方からすると粉末タイプでも、水の量などの飲み方を指定することでガイドラインに該当するのであれば、「熱中症対策」といっても良いと思います。

あくまでも飲み方を指定することで、該当のドリンクになる場合の考え方ですので、4サジでないと規定値を満たさないのであれば、「4サジを何mlの水で溶かすこと」というのをしっかりと広告上記載すべきだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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