薬機法広告ラボ

サプリメント広告で「無農薬」という表現を使ってはいけないって本当?!

サプリメントを販売する際、原料へのこだわりをアピールしたいと思うのは当然のことです。

特に「無農薬の野菜を使用しています!」という表現は、消費者に安心感を与える強力なポイントですよね。

しかし、こんな声をよく耳にします。

「無農薬」って広告に使っちゃいけないって聞いたけど本当?

この疑問に対して結論を先にお伝えすると、「サプリメント広告に『無農薬』と使うこと自体は禁止されていません」。

ただし、注意すべきポイントがいくつかあります。

この記事では、なぜこのような誤解が生まれるのかサプリメント広告でどんな表現に気を付けるべきかを、わかりやすく解説していきます!

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「無農薬」表記は禁止?

「無農薬」という言葉を広告に使ってはいけない――この話が出てくる背景には、農林水産省が定めたガイドラインの存在があります。

それが、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」です。

このガイドラインでは、

  • 「無農薬栽培農産物」
  • 「無化学肥料栽培農産物」
  • 「減農薬栽培農産物」
  • 「減化学肥料栽培農産物」

といった表現を表示禁止としています。

さらに、「特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A」でも、以下のように明記されています。

「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」の語を表示してはならないのはなぜですか。また、どのような表示なら許されるのですか。

つまり、ガイドライン上では「無農薬」という言葉を使用してはいけない、ということになります。

なぜこのように禁止されているのかというと、かつて「無農薬」と表示していた農産物にも、種まき前の土壌に農薬が使用されていたり、完全に無農薬とは言えないケースがあったためです。

これにより、消費者に誤解を与えるおそれがあると判断されたからです。

ただし、サプリメントは適用外!

ここまで読むと、「やっぱり『無農薬』って使えないんだ…」と思ってしまうかもしれませんが、実は話はここで終わりません。

実は、この「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」が対象としているのは、加工していない農産物です。

具体的には、次のように定義されています。

農産物(野菜及び果実(加工したものを除く)並びに穀類、豆類、茶等で乾燥調製したもの)であって、不特定多数の消費者に販売されるもの

つまり、「加工したもの」は対象外

サプリメントは、野菜や果物を加工して作られた加工食品にあたるため、基本的にこのガイドラインの適用対象には含まれないのです。

このため、サプリメント広告で「無農薬」と表現すること自体に、法的な禁止はない、というわけです。

それでも注意が必要な理由

サプリメントには「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」が直接適用されないとはいえ、まったく気にしなくていいというわけではありません。

農林水産省に確認したところ、加工食品であっても、このガイドラインに準じた対応を取るのが妥当だとされています。

これはなぜかというと、「無農薬」という言葉が本来意味する内容と、消費者が受け取るイメージの間にギャップがあるからです。

たとえば――

  • 実際には種まき前に土壌へ農薬が使用されている
  • ほんの一時期だけ農薬を使わなかっただけ

などのケースでも、単に「無農薬」と表記してしまうと、「完全に一切農薬を使っていない」と誤解されるリスクがあるのです。

広告表現においては、消費者の誤認を招かないことが最も重要なポイント。

たとえルール上の義務がなくても、ガイドラインに準ずる対応を取ることが強く推奨されているのは、このためです。

では、どう表現すればいい?

サプリメント広告で「無農薬」という言葉を避けるべきだとして、では一体、どのような表現なら問題ないのでしょうか。

農林水産省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A」では、正しい表記方法として次のように示されています。

農薬を使用していない場合には、「農薬:栽培期間中不使用」と表示する。

この表現なら、

  • 栽培期間中に農薬を一切使用していない

という事実を正確に伝えることができ、かつ消費者に誤解を与えるリスクを避けることができます。

また、その他にも次のような表現が認められています。(ただし、「一括表示欄」できちんと説明されている場合に限ります。)

  • 「農薬未使用」
  • 「農薬無散布」
  • 「農薬を使ってません」
  • 「農薬節減」
  • 「農薬節約栽培」

ここでいう一括表示欄とは、食品パッケージの原材料名、内容量、保存方法などをまとめて記載している部分のことを指します。

パッケージ表記にはさらに注意が必要

さらに、サプリメントのパッケージで「農薬:栽培期間中不使用」とアピールする場合は、食品表示基準にも配慮が必要です。

例えば、

  • 「栽培期間中農薬不使用のにんじん」を使用している場合
    → その原材料が製品全体に占める重量割合を表示することが推奨されています。(任意表示)

この重量割合の表記方法には二通りあります。

  1. 特色のある原材料(ここでは農薬不使用にんじん)が製品原材料全体に占める割合
  2. 同じ種類の原材料(たとえば普通のにんじん+農薬不使用にんじん)の合計に対する割合

このようなルールに従うことで、消費者にとって正確でわかりやすい情報提供ができるようになります。

まとめ

今回のポイントを整理すると、次の通りです。

  • サプリメントは「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」の対象外であるため、「無農薬」という表現を使うこと自体は禁止されていない。
  • ただし、消費者に誤解を与えるリスクがあるため、ガイドラインに準じた表現を採用するのが望ましい。
  • 正しい表現方法は「農薬:栽培期間中不使用」や「農薬未使用」など。
  • パッケージに記載する場合は、食品表示基準にも注意が必要で、必要に応じて原材料の重量割合なども示すのが推奨される。

「無農薬」という言葉は、消費者にとって安心感を与える強力なキーワードですが、適切な情報提供を心がけることが、結果的にはブランドの信頼を高めることにつながります。

サプリメントの広告表現では、ルールを押さえた上で、消費者目線に立った正しい情報発信をしていきましょう!

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