薬機法広告ラボ

『医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する注意点』について解説

先日8月30日に日本化粧品工業会より『医薬部外品における「シワ改善」の広告表現に関する留意点』が発出されました。

日本化粧品工業会よりこのような「自主基準・ガイドライン」という形で発出されるのは2020年6月15日の「化粧品等の適正広告ガイドライン」(第2版)から4年ぶりになります。

そこで、どのような点に留意すべきなのかポイント毎にまとめていきます。

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①承認を受けた効能効果通りに正しく記載すること

医薬部外品として商品を受けた「シワ改善」の効能効果は、その範囲内で広告表現を行うことが必須です。

「シワに」「気になるシワに」などの表現は、シワに対する改善効果であることが不明瞭となるため適切ではないとされています。あくまでも「シワを改善する」であり、「シワ予防」や「シワ解消」は不可となります。

②シワグレード等、シワ効能評価試験に関する説明は、効能効果の保証に該当し不可

広告表現において、シワ改善の効果を保証するかのような試験結果の使用には注意が必要です。

「シワグレード」や「効能評価試験に基づいた」などの表現は、保証表現となり不適切とされています。

例えば、

あきらめていた加齢ジワ※を改善!

というキャッチコピーに対し打ち消しとして

※日本香粧品学会の基準によるシワグレード3~5のこと
or
※抗シワ効能評価試験ガイドラインに基づくグレード3(明らかな浅いシワ)~5(やや深いシワ)のこと

と表記するようなものが該当します。

『グレード3(明らかな浅いシワ)~5(やや深いシワ)』とシワを特定する事自体がNGです。

③シワは加齢により生じるため、年齢によって生じたシワの改善表現は認められる。しかし、シワ改善することによる若返り、加齢防止等は不可。

例えば「年齢シワを改善」程度であれば年齢によって生じたシワの改善の範疇になると考えられますが、「年齢シワ」を赤文字にしたり文字の上に強調点を設けたり、また「年齢シワを改善して若々しく!」といった表現は特定のシワに効果があるような表現、且つシワ改善することによる若返りとなるためNGです。

④「改善」の程度は事実の範囲※の表現に留めること。

※ 抗シワ効能評価ガイドラインの臨床試験で確認された程度「深いシワ」までの改善表現は認められない。

あくまでも目安は抗シワ効能評価ガイドラインの臨床試験で確認された程度(グレード3からグレード5)です。

その事実を踏まえると「深いシワ」や「シワを完全に消す」「これ1つでシワに効く」「シワ革命」「あらゆるシワに」「あきらめていたシワに効く」「もうシワに悩まない」といった表現は過剰であり不可と判断されます。

⑤シワ改善の有効成分における作用機序を説明する場合には、承認申請資料に記載の範囲をこえないこと。また、作用機序が効能効果として承認を受けたものと誤認されないように留意すること。

医薬部外品の作用機序を説明する場合には、医学、薬学上認められており、かつ、その医薬部外品の承認されている効能効果の範囲をこえないこととされています。また作用機序はあくまでも効果がもたらされるためのメカニズムであって承認された効能効果ではありません

例えば抗シワの有効成分の作用機序が「ヒアルロン酸の産生促進」だったとしても「有効成分○○がヒアルロン酸を産生促進します。」とはいえないということです。これを表記してしまうと、承認された効果が「ヒアルロン酸を産生促進」だと誤解を招いてしまうためです。

また、特筆すべきこととして「ほうれい線」という表記には注意が必要です。例えば顔のイラストがあり「眉間」「目元」「口元」のシワと並列で「ほうれい線」という表記があるとシワとは異なる「ほうれい線」が改善されるかのような表現として不適切と判断された事例があります。

また、全体のバランスも重要です。「シワを改善」としつつも深いシワのある顔のイラストが添えられていると特定のシワに効果があるかのような表現であり、また改善の程度が過剰ということにも繋がります。

「シワの改善」は消費者の関心が高い効果となりますので、表現が過剰にならないよう気を付けましょう。

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