インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和6年4月~6月)
消費者庁は、令和6年4月から6月までの期間、インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視を実施しました。
この結果、インターネットにおいて健康食品等を販売している 151 事業者による160 商品の表示について、健康増進法第 65 条第1項の規定に違反するおそれのある文言等があったことから、これらの事業者に対し、表示の改善指導を行うとともに、当該事業者がショッピングモールに出店している場合には、出店するショッピングモール運営事業者に対しても、表示の適正化について協力を依頼しました。
消費者庁は、引き続き、健康食品等の広告その他の表示に対する継続的な監視を実施し、法に基づく適切な措置を講じてまいります。
参照元:消費者庁
消費者庁が、インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視を行い、151事業者に改善指導が行われました。
監視期間については、令和6年4月~6月の3ヶ月間で、ロボット型の全文検索システムを用いて、検索キーワードによる無作為検索の上、検索された商品のサイトを目視により確認された模様です。
この監視で問題になったのが、健康保持増進効果等に関する表示です。具体的には以下で解説します。
インターネット監視で問題となった点
そもそもインターネット監視は、企業が独自の判断で健康増進法に違反しそうな広告や情報を修正したり削除したりすることで、不適切な内容を早く効率的に取り除き、国民に正しい情報を伝えることを目的として実施されています。
そして、今回151事業者が問題となったのは、健康保持増進効果等に関する表示です。
健康保持増進効果等とは、健康増進法の第六十五条に記載されている通り、「健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項」のことです。健康増進法では、健康保持増進効果等について、「著しく事実に相違する表示をし、又は著しく誤認させるような表示をしてはならない。」とされています。
つまり、今回問題となった160商品は事実に相違する表示や誤認させるような表示をしていたことが問題なのです。
具体的にどのような表示をされていたのか、以下でその一部を紹介します。
表示されていた健康保持増進効果等(一部)
商品区分 | 表示されていた健康保持増進効果等 |
---|---|
生鮮食品 (農産物、畜産物、水産物) 【32 商品】 | ・エイジングケア、美肌、冷え性改善、糖尿病予防、内臓脂肪減少、動脈硬化予防、がん予防、抗酸化作用に効果を有すること等を標ぼうする表示 |
加工食品 (農産加工品、果実加工品、水産加工品等) 【56 商品】 | ・安眠、免疫力アップ、老化防止、口臭・体臭予防、アンチエイジング、脂質代謝改善機能、NK 細胞の活性化、抗がん作用、利尿作用、整腸、血液浄化、骨粗しょう症予防に効果を有すること等を標ぼうする表示 |
飲料等 (茶、コーヒー及びココア調製品、飲料等) 【19 商品】 | ・老化防止、高血圧予防、悪玉コレステロールや活性酸素の除去作用、抗ウイルス作用、インフルエンザ予防、虫歯予防、デトックス、腸内環境改善に効果を有すること等を標ぼうする表示 |
いわゆる健康食品 (カプセル、錠剤、顆粒状等) 【95 商品】 | ・抗がん作用、老眼予防、糖尿病予防、動脈硬化防止、自律神経機能改善、血流改善作用、痴呆予防、ウイルスの増殖抑制、解毒作用、免疫機能の向上に効果を有すること等を標ぼうする表示 ・女性ホルモンの活性化に働きかけ、妊活、更年期障害改善、シミやそばかすの軽減、シワ改善、メラニン生成抑制作用に効果を有すること等を標ぼうする表示 |
まとめ
消費者庁は、2024年4月から6月にかけて、インターネット上での健康食品等に関する虚偽・誇大表示を監視し、151事業者が販売する160商品に対して改善指導を行いました。特に、健康効果に関する誤解を招くような表示が問題視されました。
事業者の方は、広告や表示が法令に準拠しているかを再確認し、誤解を招く表現や根拠の乏しい主張を避けるようにしましょう。今後も消費者庁は監視を続け、違反が見つかった場合には厳正な対応が取られる可能性があるためご注意ください。
この記事から学んでおきたい関連知識
消費者庁は、インターネットにおける健康食品などの虚偽・誇大表示について、改善指導等を行いました。