薬機法・景表法ニュース

株式会社ヴィワンアークスが育毛剤のアフィリエイト広告による不当表示で措置命令

アフィリエイト広告が不当表示、育毛剤EC会社に東京都が景表法違反で措置命令

東京都は10月10日、医薬部外品の育毛剤「MIHORE(ミホレ)」を販売するヴィワンアークスに対し景品表示法に違反するとして措置命令を出した。短期間で発毛や白髪改善が得られるかのようなアフィリエイト広告の表示が優良誤認に該当するとして違反を認定した。

違反認定した表示のなかには「※イメージ」「※スタイリング効果」「※個人の感想であり効果効能を保証するものではありません」などと打消し表示をしているものもあった。ただ、東京都は「一般消費者が表示から受ける商品の効果に関する認識を打ち消すものではない」とし打消し表示として無効だとした。

東京都によると、ヴィワンアークスでは広告代理店やアフィリエイターに作成させた広告表示の内容を十分に把握していなかったという。そのためヴィワンアークスは自らの表示責任を否定したというが、「広告代理店等に広告内容の決定を委ねていた場合であっても、基本的に景品表示法上の責任は広告主にある」(生活文化スポーツ局)としている。

今回の措置命令を踏まえ東京都は、広告主はアフィリエイト広告に限らず不当表示の未然防止のため①広告の出稿前後の表示内容の確認②表示内容の根拠となる資料の保管――など必要な管理上の措置を講じるよう呼びかけている。

なお、東京都では2023年7月からインターネット上の不当広告表示を適正化する取り組みとして、「東京デジタルCATS」なる専門的知見を有する助言員チームの導入をしている。今回の措置命令は「東京デジタルCATS」からSNS広告への調査方法について助言を受けての執行となったとしている。

引用元:inpress BUSINESSMEDIA

このニュースの概要をまとめると以下のようになります。

東京都は、株式会社ヴィワンアークスが販売する育毛剤「MIHORE」のアフィリエイト広告に対し、景品表示法違反として措置命令を出しました。短期間での発毛や白髪改善を誤認させる表示が問題とされ、「※個人の感想」などの打消し表示も無効と判断されました。

また、広告の管理責任は広告主にあり、代理店にすべて任せていたとしても景品表示法上の責任は免れません。東京都は、広告主が適切に広告を管理するための措置を講じるよう呼びかけています。

そこで、本記事ではこのニュースの問題点と、事業者が講ずべき対策についてもう少し具体的に解説していきます。

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今回のニュースで問題となった点

今回のニュースで問題となったのは、以下のような点です。

①優良誤認表示

ヴィワンアークスは、「MIHORE」という医薬部外品の育毛剤を、複数のアフィリエイトサイトで短期間での発毛効果や白髪改善効果が得られるように表示し、一般消費者に誤認させていました。このような効果の誇張表示が「優良誤認」として問題視されました。

②合理的な根拠の不備

東京都が合理的な根拠資料の提出を求めたところ、ヴィワンアークスから提出された資料が効果の裏付けとなるものとして認められなかったため、景品表示法に基づく違反とされました。

③打消し表示の無効性

「※イメージ」、「※スタイリング効果」、「※個人の感想であり効果効能を保証するものではありません」などの打消し表示がありましたが、それらは消費者の誤認を打ち消すには不十分であると判断されました

これは、打消し表示が広告全体で誇張された印象を和らげる効果を持っていなかった点が問題となります。

これらの問題点から、今後は広告主がより厳格に広告の内容やその根拠を管理する体制を構築する必要があると考えられます。

今回のような問題を起こさないようにできる対策

今回のような景品表示法違反の問題を回避するために、事業者ができる具体的な対策を解説します。これらの対策を講じ、消費者に誤解を与える広告表示を防ぎ、法令順守を徹底することが重要です。

①広告内容の確認と管理体制の整備

広告作成を広告代理店やアフィリエイターに委託する場合でも、最終的な内容の確認は必ず広告主が行う必要があります。広告主としての責任を果たすため、広告作成前後での内容確認や修正、チェックプロセスを社内に設けましょう

また、広告の承認フローを定め、法的に問題がないかを確認する段階(ダブルチェック等)を設けます。広告表示の内容を確認する役割を持つ担当者を明確にしておくことが効果的です。

②合理的な根拠資料の保持と管理

広告において商品の効果を主張する場合、それを支える科学的根拠や実験データ、臨床試験の結果などを用意し、それらを保管する必要があります。資料は要求された際に提示できる状態にしておきましょう。

また、提出する資料が合理的な根拠と認められるかを判断するため、外部の専門家(弁護士、薬事法コンサルタントなど)にレビューしてもらうことも有効です。専門的な知見を取り入れることで、広告表示がより法的に問題ないものになる可能性が高まります。

③打消し表示の適切な運用

打消し表示は、消費者が誤解しないよう、十分に目立つ場所に掲載することが求められます。表示の文字サイズ、色、背景とのコントラストを考慮し、強調表示とのバランスをとるようにしましょう。打消し表示が消費者にしっかりと認識されるような配置とデザインにすることが必要です。

なお、広告全体のメッセージが一貫しているかを確認します。強調表示で「短期間で効果あり」と示しながら、打消し表示で「個人差がある」といった矛盾を避けることが重要です。強調表示と打消し表示に一貫性を持たせ、誇張や矛盾がないことを確保します。

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