ロート製薬の「ステマ」広告に措置命令、利用者の投稿を自社サイトにも掲載
個人の感想を装って商品を宣伝するステルスマーケティング(ステマ)を行ったとして、消費者庁は25日、製薬大手「ロート製薬」(大阪)に対し、景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を出した。
発表によると、ロート製薬は昨年6~7月、目のぼやけなどの改善をうたうサプリメント「ロートV5アクトビジョンa」の消費者モニターに応募した利用者に、サプリについて指示した画像や文言の宣伝を自身のインスタグラムに投稿することを依頼。その投稿を自社ウェブサイトでも抜粋して掲載していた。利用者にはサプリ1袋(約2か月分の62粒入り、5400円)が無償提供されていた。
同社は取材に対し、「インスタはPRと記していたが、自社サイトは表記されていなかった。命令を 真摯しんし に受け止め、再発防止に努める」とコメントした。
参照元:読売新聞オンライン(2025年3月25日より)
ニュースの概要
ロート製薬は2024年6月から7月にかけて、機能性表示食品『ロートV5アクトビジョンa』のモニター募集を実施しました。
この際、モニターに選ばれた消費者に対し、事前に用意した画像や文章を使用し、Instagramへ投稿するよう依頼。さらに、その投稿内容の一部を、自社の公式ウェブサイトにも転載していました。
モニターには、商品(約2か月分・5,400円相当)が無償で提供されており、ロート製薬はInstagram上の投稿には「PR」と明記していたものの、自社サイトに転載した際にはその表示がなかったことが判明しました。
問題となったのは「ステマ」
今回の事案で問題とされたのは、自社サイトに掲載した口コミが広告であるにもかかわらず、その表記が不十分だったことです。
ロート製薬は、Instagram上の投稿には「PR」の表示をしていたものの、自社ウェブサイトにその投稿を転載した際には、その記載がありませんでした。
これにより、一般の閲覧者がその内容を中立的な口コミや実際の感想であると誤認する恐れがあり、広告であることを隠して商品を宣伝する手法、つまり「ステルスマーケティング(ステマ)」に該当すると判断されました。
今後事業者が注意すべきポイント
事業者がSNSやウェブサイトを活用したマーケティングを行う際には、以下の点に注意が必要です。
- 明確な広告表示の徹底
消費者モニターやインフルエンサーによる投稿を自社サイトや他媒体で再利用する場合も含めて、「広告」「PR」などの表示を明確に行いましょう。媒体が異なっても、一貫した表記が求められます。 - 提供条件の透明性の確保
無償提供や報酬支払いがある場合は、①にならい、「広告」や「PR」等の表示をしっかりと明示することが必要です。消費者が投稿内容を広告として適切に判断できる環境を整えることが信頼構築につながります。特に、LP等に転用を行うとその過程で、悪意なく表記が漏れてしまうこともありますので注意しましょう。 - 社内の広告管理体制の強化
法令違反を防ぐためには、広告・広報部門だけでなく、関係部門全体で景品表示法やガイドラインの理解を深めることが重要です。定期的な社内研修やチェック体制の見直しも有効です。
まとめ
今回の措置命令も、企業によるSNS・ウェブ活用型プロモーションにおける広告表示の在り方に警鐘を鳴らす出来事となりました。
一見すると軽微な見落としに思える表記ミスでも、信頼の損失や法的リスクにつながる可能性があります。
消費者との信頼関係を築くためにも、事業者は自社の広告活動を定期的に見直し、法令遵守と透明性のある情報発信を徹底することが求められます。
このニュースから学んでおきたい知識
2025年3月25日、製薬会社のロート製薬がステルスマーケティング(以下、ステマ)を行ったとして、消費者庁から景品表示法違反による措置命令を受けました。
SNSやウェブサイトを活用したプロモーションが一般化するなか、今回のケースは事業者にとって広告表示の透明性と法令遵守の重要性を改めて示すものとなりました。
本記事では、ニュースの概要を整理し、具体的に何が問題だったのかを解説するとともに、今後事業者が注意すべきポイントについて詳しく紹介します。
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