薬機法ガイド

薬機法における広告規制や広告作成のポイントについて解説!

広告において、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は非常に重要な法律です。特に医薬品や化粧品、健康食品などの広告を作成する際には、この法律を守ることが求められます。

そこで、本記事では、薬機法の基本的なルールと、広告における具体的な注意点について解説します。

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薬機法とは?広告を規制する理由について

薬機法とは、医薬品、医療機器、化粧品などの製造・販売を規制する法律です。特に広告においては、消費者に誤解を与えないための厳しいルールが定められています。この法律の目的は、消費者の安全と信頼を守ることにあります。

なぜ広告を規制するのか

薬機法では、医薬品や化粧品などの広告について厳しい規制が設けられています。これには以下の理由があります。

  1. 消費者保護
    誇大広告や虚偽の情報を防ぎ、消費者が誤った選択をしないようにするため
    。例えば、「この薬を飲めば必ず治る」などの過剰な表現は消費者を誤解させ、健康被害を引き起こす可能性があります。
  2. 公正な競争の確保
    業界内での不公正な競争を防ぎ、公正なビジネス活動を促進する役割
    も担っています。
  3. 医療の信頼性保持
    誤解を招く広告が蔓延すると、医薬品や医療の信頼性が低下する恐れがあります
    。正確な情報提供が医療分野では不可欠です。

薬機法の広告規制は、単なる制約ではなく、消費者の健康と市場の健全性を守るための重要な仕組みなのです。

薬機法の広告規制のポイント

薬機法に基づく広告規制には、以下の主要なポイントがあります。

①誇大広告の禁止

誇大広告の禁止とは、製品やサービスの効果や性能を実際以上に誇張して表現することを禁じる規制です。薬機法では、特に医薬品や化粧品に対して厳しく適用され、消費者を誤解させる可能性がある表現を防ぐために設けられています。

例えば、「このクリームで即効美白!」など、短期間で劇的な効果を謳う表現は誇大広告に該当し、違反となります。企業は正確で信頼性のある情報提供を心掛けることが求められます。

②虚偽広告の禁止

虚偽広告の禁止とは、実際には存在しない効果や性能を広告に記載することを禁じる規制です。薬機法では、医薬品や化粧品の分野で特に厳格に適用され、消費者に誤った情報を伝えることを防ぎます。

例えば、「科学的に証明された成分配合!」といった根拠のない主張は虚偽広告に該当します。虚偽広告は消費者の信頼を損ない、法的な罰則を受ける可能性があるため、広告内容は常に正確で裏付けのある情報に基づいて作成されるべきです。

③未承認薬の広告禁止

未承認薬の広告禁止とは、厚生労働省から承認を受けていない医薬品や医療機器を広告することを禁じる規制です。薬機法に基づき、未承認の製品を広告することは消費者に対する安全性と信頼性を確保するために厳格に禁止されています。

例えば、海外で販売されているが日本国内で未承認の薬を「効果抜群!」と広告することは違法です。企業は必ず承認を受けた製品の宣伝を徹底する必要があります。

薬機法では「誇大広告」「虚偽広告」「未承認薬の広告」の3点が禁止されています。この禁止事項を守らなかった場合は、厳しい罰則が科せられる可能性があるのでご注意ください。もし広告に関するお悩みがある場合はお気軽にご相談ください。

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薬機法を遵守した広告を作成するためのポイント

薬機法を遵守するためには、以下のポイントに注意して広告を作成する必要があります。

  • 事実に基づいた情報提供

事実に基づいた情報提供とは、広告で伝える内容が現実に基づいていることを指します。つまり、製品やサービスの効果や性能について、実際に確認された事実のみを広告に使用することです。誇大広告や虚偽広告を避け、消費者に正確な情報を提供することが求められます。

  • 明確で具体的な表現

効果や効能を具体的に、かつ誇張せずに伝えることが重要です。「改善が期待できる」といった曖昧な表現よりも、「肌の保湿効果が確認されています」といった具体的な表現を使用しましょう。

  • 適切な証拠の提示

適切な証拠の提示とは、広告に記載する効果や効能について、信頼性のある証拠を具体的に示すことを指します。これは科学的データや臨床試験の結果など、第三者が確認可能な形で証明されていることを意味します。

<薬機法から抜粋>薬機法の対象について

薬機法では以下のように対象が定められています。

≪薬機法抜粋≫
第十章 医薬品等の広告

(誇大広告等)
第六十六条 

何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

(特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限)
第六十七条

政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品又は再生医療等製品であつて、医師又は歯科医師の指導の下に使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、厚生労働省令で、医薬品又は再生医療等製品を指定し、その医薬品又は再生医療等製品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品又は再生医療等製品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する特殊疾病を定める政令について、その制定又は改廃に関する閣議を求めるには、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かなければならない。ただし、薬事・食品衛生審議会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第六十八条
 
何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

引用元:厚生労働省

ここに「何人も」と書かれています。

つまり、上記の内容に抵触した場合、製造業者・製造販売業者などのメーカだけでなく、その広告に絡むすべての人に対し、責任を問われる可能性がありますので注意が必要です。

その他にも、薬機法に絡んだ広告に関して、より実務に基づきわかりやすく記されたルールとして医薬品等適正広告基準があります。

また、それ以外にも医薬品医薬部外品化粧品医療機器再生医療等製品、それぞれに関しての通知、通達、業界のルール等がありますので、それらも含めて守っていく必要があります。

よくある薬機法違反事例

薬機法における広告規制は厳しく、知らないうちに違反してしまうケースも少なくありません。この章では、特に注意すべき違反事例を具体的に紹介します。

1. 効能効果の断定表現

違反例
  • 「この薬を飲めば必ず○○が治る!」
  • 「これを塗るだけで肌年齢が10歳若返る!」

薬機法では、医薬品や化粧品に対して効能や効果を断定的に述べることを禁止しています。これに該当する広告は消費者を誤解させる可能性が高いため、行政指導や罰則の対象になることがあります。

2. 未承認医薬品の宣伝

違反例
  • 「海外で話題の○○治療薬が日本上陸!」
  • 「○○国で医師が推奨!安心して使える最新のサプリメント」

日本では承認を受けていない医薬品やサプリメントを広告することは法律で禁止されています。特に海外の商品を輸入して販売する場合は、国内承認の有無をしっかり確認する必要があります。

3. 医薬品的な表現を含む化粧品広告

違反例
  • 「このクリームでシワが完全になくなる!」
  • 「○○成分で肌荒れを治療!」

化粧品は「皮膚にうるおいを与える」「肌荒れを防ぐ」など、厚生労働省によって認められた56効能の範囲でしか謳えません。「治療」や「改善」を目的とする表現は医薬品と誤解される可能性があるため、違反に該当します。

4. 第三者の証言を用いた誇大広告

違反例
  • 「○○医師も認めた!」
  • 「SNSで100人中98人が効果を実感!」

たとえ第三者が実際に発言した内容であっても、過剰に編集したり一部だけを強調すると誇大広告とみなされることがあります。また、信頼性が低い統計データを使うことも問題です。

まとめ

薬機法に基づく広告規制を遵守することは、消費者の信頼を得るために欠かせません。法令を遵守し、適切な広告を作成することで、企業の信頼性を高め、長期的な成果を得ることができます。そのため、広告を作成する際には、常に薬機法の規定を確認し、適切な表現を使用するよう心がけましょう。

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